私の家には、玄関を入って間もないところに、小さな十字架がかけられていました。その少し下には、ラファエロ作「聖母子と幼い洗礼者聖ヨハネ」の絵がありました。毎日、何度もこの場所を行き来するなか、自然と目に入っていた絵でした。
幼いイエス様と並んで描かれている子どもがヨハネであることは、あまり意識していませんでした。ヨハネが、聖母マリアが訪ねたエリザベトの息子であること、ヨルダン川でイエスに洗礼を授けた人物であることを知ったのは、ずっと後になってからでした。
洗礼者聖ヨハネは、救い主イエス・キリストが世に来られ、わたしたちの間におられることを教えました。聖母マリアと同様に、神の救いのご計画への偉大な協力者でした。彼は、イエスに先立って神の国の到来を告げながらも、最後は人間の思惑によって命を絶たれてしまいます。「あの方は栄え、わたしは衰えなければならない」という洗礼者聖ヨハネの言葉は、彼自身の生涯を表していると思います。
カトリック教会では、6月24日に洗礼者聖ヨハネの誕生を祝います。教会暦で誕生を祝うのは、イエス・キリスト(クリスマス)、聖母マリア(9月8日)、そして洗礼者聖ヨハネだけであるそうです。ラファエロの絵のなかに、私はこの3人を子どもの頃からずっと見ていたことを今、思い浮かべています。
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