「み旨とともに」
中世ヨーロッパでペストが流行し、多くの人々が次々と亡くなっていくなか、
人々が抱いた恐れは、私たちが今経験している不安をはるかに超えるものだった
ようです。そのような中にあって、ある人々は祈りの実践や相互扶助を目的とした
信徒信心会、共同体を各地で始め、それらが後の修道会創立、発展への土台となった
と学んだことがあります。彼らは危機的状況にあっても、人々の回心と救いのために、
具体的に行動したのでした。
先日、神父様のお話で、現在の状況に触れる内容がありました。
「先の見えない状況にあって、神に希望を置くことを忘れてしまうのは、いつの時代
にも共通しています。私たちは一日も早く落ち着いた日常に戻るよう願っています。
しかし、以前のようにと過去の平穏を、また私たちの願いを未来に投影するばかり
ではなく、心を神に向けて、み旨が行なわれますよう、み旨に導かれる未来を願い
求めましょう。」と神父様は話されました。
7月17日は、本修道会の創立者ムッター・M・アンゼルマ
の帰天日(1887年)です。ムッター・M・アンゼルマは、
何よりも神のみ旨を探し求めました。日常、時代の状況に現れる
神の呼びかけに応え、神の望みに自身を委ねるという模範を残さ
れました。その姿勢は、困難にある人々、助けを必要としている
人々への奉仕へとつながり、現在も記憶され続けています。
歴史に残る出来事のただなかに生きる私たちは、この模範を糧と
して、神の私たちへのまなざしであるいつくしみに信頼と希望を
置いていきたいと思います。
SMV
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