「沈黙の静けさがすべてを覆い、夜が半ばに達したとき、
全能の言葉が玉座を離れて天から降った。
主にあって、喜びなさい。今日、救い主がお生まれになった。
今日こそ、天から真の平和がこの世に降り立った。」
「この時代に真の平和の訪れを想うことは、難しいでしょう。戦争、テロ、自然災害や環境破壊、コロナ、その他の危機はすでに全くありふれた出来事になっています。特に今、ウクライナでの戦争はヨーロッパばかりではなく、世界中をも脅かしています。
だからこそ、信じることが私たちには大切です。神は天からみことばをお遣わしになった、イエスこそ平和の君であると。
この平和が私たちの家庭にもとどまりますように。神が私たちの家族を祝福してくださいますように。主は、無力で弱く、寄る辺もない幼子のお姿で来られました。それは、私たちの助けを受け取られるためでした。
私たちの家族に落ち着きが保たれたこと、私たちが互いを受けとめ、共に、そしてお互いのためによく関わり合っていることに感謝しましょう。誰でも、どの家庭も、何らかの悩み苦しみ、困難を抱えています。それでもなお、神が私たちのただ中に平和の王として住まわれることに信頼しましょう。主が世の終わりまで私たちのそばにとどまってくださることに、信頼を置きましょう。
あなたとご家族の上に、祝福された、平和にあふれ恵みに満ちたクリスマスを、そして新しい2023年に神様の祝福を願い、お祈りしています。」
私はこの新年の始まりを小さな聖堂で迎えました。11時半からの聖体礼拝、そして真夜中に行われた神の母聖マリアの祭日のミサにあずかりました。12月31日に逝去された名誉教皇ベネディクト16世のためにも祈りを捧げました。ミサの中で、神父様はおっしゃいました。
「私たちは今、闇に覆われたような時代を生きています。世界は方向性を見失っているかのようです。そうしたなか、何をもって心の渇きが本当に満たされるのかを今一度、確認しましょう。「私たちはどうすればよいのですか」と尋ねた弟子たちのように、「すべてを心に納めて、思い巡らしていた」マリア様のように、謙虚に神に聴き従う姿勢が求められています。私たちもみことばを受け入れ、内なるキリストを世に生み出す母となるよう招かれているのです。」
聖堂を後にすると、星空と明るい月が目に入りました。神への感謝と平和への願い、そして希望を新たにしたひと時でした。
SMV