8月22日は天の元后聖マリアの記念日です。今年は主日と重なるので消えてしまいましたが、1954年、教皇ピオ12世によって、マリア様が神の母として、また新しいエヴァとしてイエスの救いのみわざにあずかったことを記念して制定されました。
毎年8月22日になると、私は2013年にドイツのヘーデ(Heede)村を訪れたときのことを思い出します。ヘーデはドイツ北西部のニーダーザクセン州・エムズラントにある人口約2300人の小さな村ですが、ナチズムが台頭していた1937年から1940年にかけて、聖母マリアが4人の少女たちに100回以上現れたことで知られています。聖母に何と呼ばれたいか少女たちがたずねると、聖母は「宇宙の元后」(Königin
des Weltalls) そして「哀れな霊魂たちの元后」(Königin
der armen Seelen)とお答えになりました。
聖母のご出現のほとんどは聖ペトロ教会(St. Petrus in Ketten)の隣の墓地で起こりました。少女たちの証言をもとにご像がつくられ、屋根でおおわれて、今では「祈りの場」(Gebetsstätte)と呼ばれています。毎年約7万人の巡礼者が訪れるにもかかわらず、いつも祈りの雰囲気に満ちており、人々がマリア様におささげする花やろうそくを眺めながら、こちらもまた祈りへと引き込まれていきます。
聖母マリアが出現された場所 |
Gebetsstätteにあるもう一つの教会、マリア教会では、ミサはもちろん聖体礼拝が毎日行われています。ゆるしの秘跡もひんぱんに行われており、ここもまたなんとも形容しがたい祈りの雰囲気に満ちています。私が2013年に訪れたときは、8月22日はあいにく大雨で、やむなくマリア教会の中で祈りの集いが行われましたが、本来ならば人々はろうそくを持って外で行列をします。このマリア教会にはまた、あとでお話しするグレーテ・ガンゼフォートという女性が生きている間、毎年復活祭に「天使がつくった」ろうそくが何本も保管されています。
Gebetsstätteでは聖母マリアのほか、大天使聖ミカエルも出現しました。それを記念してつくられたミカエルのご像は天を見上げており、いつでも神様の命令を受けて動けるように待機しているようです。左の翼にはヘーデの聖母子(聖母子がそれぞれ地球を上下から支えている)が彫られています。
Heedeでは、聖母マリアのご出現を目撃した4人の少女たちのうちの一人、グレーテ・ガンゼフォート (Grete Ganseforth) の生家も訪れました。グレーテは1940年、罪人たちの救いのために自分を聖母に捧げてから、キリストの受難を幻視したり体験したりするようになり、やがて彼女は聖痕を受けます。現在グレーテの生家は何の変哲もないパン屋さんに隣接しており、そうだと知らなければ見落としてしまうでしょう。私は日本人のシスター3人とアメリカ人のシスター2人でグレーテの部屋を訪れて、そこで英語と日本語交互にロザリオを唱えました。
在りし日のGrete Ganseforth |
みなさんがわざわざ Heede を訪れる機会はないかと思われますが、下にHPのリンクを載せておきました。ドイツ語ですが、翻訳機能を使えばだいたいの意味はわかります。写真を眺めるだけでもおもしろいので、ぜひごらんください。
Heede GebetsstätteのHP
https://www.sankt-petrus-heede.de/index.php
Kirche am Weg Heede に関する詳細な解説がある。
https://www.kirche-am-weg.net/sakrale-orte/heede-gebetsstaette/
Virtual Pilgrimage to Heede 2010 Gebetsstätteの見どころが3Dで見られる。
https://roundme.com/tour/11617/view/28451
(SMP)